特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースについて、対象となる就職困難者別にポイントをまとめました。
主な対象者として、高年齢者(60歳以上65歳未満)、障害者(重度障害者等とそれ以外)、母子家庭の母等、生活保護受給者等を取り上げ、それぞれの助成期間、助成額、そして特徴的なポイントを整理しました。
各対象者グループに対して、それぞれの特性や課題に応じた支援内容が設定されていることがわかります。例えば、重度障害者等に対しては助成期間が長く、助成額も高く設定されているなど、就職の困難度に応じた配慮がなされています。
また、共通のポイントとして、試行雇用期間の設定や職場適応訓練との併用、助成金の分割支給、雇用管理報告の必要性などを挙げ、制度全体の特徴を示しました。
1. 高年齢者(60歳以上65歳未満)
- 対象: 60歳以上65歳未満の者
- 助成期間: 1年(中小企業以外は6ヶ月)
- 助成額:
- 中小企業:60万円(短時間労働者は40万円)
- 中小企業以外:50万円(短時間労働者は30万円)
- ポイント:
- 豊富な経験や技能を持つ高年齢者の雇用を促進
- 年齢による採用差別の解消を目指す
2. 障害者
2.1 重度障害者等(重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者)
- 対象: 重度身体障害者、重度知的障害者、45歳以上の身体障害者・知的障害者、精神障害者
- 助成期間: 2年(中小企業以外は1年6ヶ月)
- 助成額:
- 中小企業:240万円(短時間労働者は160万円)
- 中小企業以外:150万円(短時間労働者は100万円)
- ポイント:
- 特に就職が困難な重度障害者等の雇用を重点的に支援
- 長期的な雇用を想定し、助成期間を延長
2.2 障害者(上記以外)
- 対象: 身体障害者、知的障害者(重度以外)
- 助成期間: 1年6ヶ月(中小企業以外は1年)
- 助成額:
- 中小企業:120万円(短時間労働者は80万円)
- 中小企業以外:100万円(短時間労働者は60万円)
- ポイント:
- 障害の程度や年齢に関わらず、幅広い障害者の雇用を支援
- 職場環境の整備や職務の開発を促進
3. 母子家庭の母等
- 対象: 母子家庭の母、父子家庭の父等
- 助成期間: 1年(中小企業以外は6ヶ月)
- 助成額:
- 中小企業:60万円(短時間労働者は40万円)
- 中小企業以外:50万円(短時間労働者は30万円)
- ポイント:
- ひとり親の就業を支援し、子育てと仕事の両立を促進
- 家庭環境に配慮した柔軟な雇用形態の導入を奨励
4. 生活保護受給者等
- 対象: 生活保護受給者、生活困窮者等
- 助成期間: 1年(中小企業以外は6ヶ月)
- 助成額:
- 中小企業:60万円(短時間労働者は40万円)
- 中小企業以外:50万円(短時間労働者は30万円)
- ポイント:
- 経済的に困難な状況にある者の自立を支援
- 社会保障制度からの脱却を促進し、就労による自立を目指す
共通のポイント
- 試行雇用期間の設定:
- 一定期間の試行雇用後、常用雇用への移行を前提とすることが可能
- 企業側のリスク軽減と求職者の就職機会拡大を両立
- 職場適応訓練との併用:
- 都道府県が実施する職場適応訓練と併せて利用することで、より効果的な支援が可能
- 助成金の支給方法:
- 6ヶ月ごとに分割して支給
- 雇用の継続性を確保し、長期的な就労支援を実現
- 雇用管理に関する事項:
- 対象労働者の雇用管理に関する事項を報告することが必要
- 適切な雇用管理の実施を促進し、就労の質を向上
この助成金制度は、就職困難者の特性に応じて柔軟に設計されており、各対象者のニーズに合わせた支援を提供しています。企業にとっては人材確保の機会となり、求職者にとっては就職の機会拡大につながる重要な施策となっています。
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